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願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

トリクルダウンという考え方<オピニオン比較>

 <成長促進と規制改革>

 

    政府の役割は賃上げできる環境づくりだ 
       日本経済新聞 2014/12/17

  政府の役割は企業が活発に活動して収益を増やせる環境
 をつくることにある。その点を確認し、規制改革や法人
 減税などの着実な実行を求めたい。

  賃金が上昇して消費を伸ばし、企業の生産活動を盛んに
 する。それがまた賃金増や雇用拡大につながり、消費を
 刺激する。そんな好循環をつくる必要がある。鍵になる
 のは企業の行動だ。

  大手企業が国内で投資を拡大すれば部品や材料を生産
 する中小企業の受注増につながる。産業界に賃金の上昇
 が広がりやすくなる。

  政府はそうした企業活動の後押しに力を注がなくては
 ならない。 農業、医療、エネルギー関連など成長ビジ
 ネスへの進出を促す規制改革は欠かせない。

 介護や医療用などのロボットも有望だ。企業が参入する
 うえで壁になっている制度の改革を政府に望みたい。
             (部分引用)

 <トリクルダウンに懐疑的>   格差拡大が経済成長を損なっているという経済協力開発機構  (OECD)の分析を紹介しています。

 

           コラム 「中日春秋」
         中日新聞 2014年12月13日

  「金持ちの富を減らせば、貧しい人は、より貧しく
 なる」。英国の名宰相とうたわれたサッチャーさんが
 政治信条とした考え方だ。

  「金持ちをより豊かにすれば、貧しき人々も潤う」。
 サッチャーさんや米国のレーガン大統領は一九八〇年
 代、そういう考えで市場原理主義に沿った規制緩和や
 富裕層への減税などを進めた。いわゆる「トリクル
 ダウン(したたりおちる)」効果を信じてのことだ。

  その結果どうなったか。経済協力開発機構(OE
 CD)は今週の火曜日、「多くの国で過去三十年間で
 所得格差が最大となった。格差拡大は各国の経済成長
 を損なっている」との最新の分析を発表した

  推計によれば、格差拡大のために成長率はここ二十
 年間で米国で6%、日本で5・6%押し下げられた。

 つまり金持ちはより豊かになったはずなのに、貧しき
 人は貧しいままで、経済全体の活力もそがれてきたと
 いうのだ。欧米有力紙はこの分析を大きく伝え、英紙
 ガーディアンは一面トップでこう断じた。

 <OECDはきょう、トリクルダウンという考え方
  を捨て去った>

  格差是正の鍵は教育だが、例えば米国では公立大学
 の授業料がここ二十年で一・六倍に上がり、貧困層の
 進学を妨げているそうだ。

 日本の国立大学はどうかといえば、平成になってから
 の二十年で一・五七倍。

  日米とも結局、したたり落ちているのは、若い世代
 の悔し涙なのか。

  わが国で貧困層と富裕層の二極化が進み、富の余沢が滴り  落ちるという結果は出ていないという指摘です。

 

   経済学に「トリクルダウン」という理論が、
      福井新聞 越山若水 2014年11月6日

  経済学に「トリクルダウン」という理論がある。
 大企業や資本家が裕福になれば、労働者や庶民層に
 も富の余沢が滴り落ちる(トリクルダウン)という
 仮説である。

   米国のレーガン大統領が推進した「レーガノミ
  クス」がその代表例で、市場主義と民間活力を重視
  した。日本の経済政策「アベノミクス」も同じ系譜
  に属する。

  安倍晋三首相は「もっと経済成長を」と声高に
 叫ぶ。もっと生産を、もっと輸出を、もっと消費を
 増やして、もうかった大企業からの“おこぼれ”に
 期待を掛けた。

  しかし理論は理論。思い通りに行かないのが世の
 常。アベノミクス効果が限定的な上、業績を上げた
 企業も余滴を与えるどころか、ひたすらため込む
 ばかり。日本は富裕層と貧困層の二極化が進んだ。

  今年の夏季賞与は37万円余りで、1991年
 以来23年ぶりの高い伸び率だったという。ただし
 景気の完全回復というより、安倍政権の賃金アップ
 圧力のおかげといえそうだ。

  現に、91年の約45万3千円から見ればまだ
 まだ低水準。9月の現金給与総額も約26万6千円
 と微増したが、物価を加味した実質賃金は目減りし
 ている。

  来年秋の消費税率10%導入をめぐり、アベノ
 ミクスの成果を問う動きがにぎやかである。

 個人の感想だが、わが国の貧困率は16%を超え
 世界でも高率という現実。やはりトリクルダウン
 は経済学の仮説のようだ。

 

     「トリクルダウン効果」(行雲流水)
     宮古毎日新聞 2013年10月31日

  大企業や富裕層に対する支援策を行うことで経済
 活動は活性化し大企業や富裕層が得た利益は次第に

 低所得層に流れ落ちて国民全体の利益になるという
 経済理論「トリクルダウン効果」とも言われるこの

 理論は富裕層からしたたり落ちる富にあずかっての
 経済活性化ゆえ〝おこぼれ経済論〟との皮肉も浴び
 るが…

  安倍首相が昨今しきりに強調するアベノミクスの
 「三本の矢」は実はこの「トリクルダウン効果」を
 根拠にしていると指摘されている。

 この論で格差が拡大した韓国の例を挙げわが国経済
 や社会構造の行く先に不安を感じるという経済学者
 や評論家は少なくない。

  大企業の営業利益がよくなれば従業員の賃金は
 上がり消費活動は連動して活発になる。消費活動が

 活発になれば結果として日本経済は好転する-と
 いうアベノミクスの図式は必ずしも有効ではないと
 いうのである。

  円安・株高で輸出競争力をつけた大企業の多くは
 為替差益等で増収増益だと勢いづいているが営業

 利益が従業員の賃金上昇に還元される保証は何も
 なくボーナスなど一時金としてその場限りの待遇と
 なるだけ。

  利益の大半は「内部留保金」(現在270兆円)
 として社の〝へそくり〟に回される。賃金に還元

 されるとしてもわが国労働者の7割強は中小零細
 企業の従業員で大企業の営業利益とは無縁で待遇
 改善は見込めそうにない。

  国や地方の公務員給与も抑えられており年金支給
 も大幅減額された。その上消費税増税である

  ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマン氏
 は指摘する - 「消費税増税は日本経済復活の
 ために何のプラスにもならない」と。