鉄分の補給と過剰
レールなめるシカ、目的が判明 衝突防止に利用 読売新聞 2015年11月24日 シカは鉄分補給のため、レールをなめようと集まってくる? シカと列車の衝突事故防止に向け、東京の建材メーカー が、こんな分析結果をまとめ、鉄分を主体とする「誘鹿材」 を開発した。 線路に向かう“けもの道”の途中に誘鹿材を置いてシカを足 止めし、それ以上、線路に近付かないようにする。 事故多発に悩むJR九州は今月中にも試験導入することを 決めており、効果が注目される。
<鉄分を除去してがんを抑える> シカの行動の追跡調査から、製品開発につなげるというのも意外 なニュースですが、こちらも意外です。 過剰の鉄分が体に害をもたらすことは以前から知られていましたが、 がんリスクを抑えるために鉄分を取り除くことが有効という研究発表 です。
「がんの親玉」鉄分除去で抑える 根本的治療、開発の可能性 読売新聞 2015年10月8日 がんの再発や転移の原因とされ、「がんの親玉」とも呼ばれ る「がん幹細胞」は、細胞の鉄分を取り除けば抑え込める可能 性があるとの研究成果を岡山大の大原利章助教らのチーム がまとめた。 がんを根本的に治す治療法の開発につながるという。8日 から名古屋市で開かれる日本癌学会で発表する。 がん幹細胞はがん組織の中に数%含まれているとされ、 がん細胞の供給源になる。抗がん剤や放射線が効きにくく、 がんの再発や転移の原因とされる。 体内の鉄分が過剰になるとがんになりやすいことが知られて いる。チームはこれに注目し、iPS細胞(人工多能性幹細胞)で 作ったがん幹細胞に鉄分を与えると、普段より3倍増えた。 一方、鉄分を取り除く薬を加えると、がん幹細胞の増殖が抑え られた。 また、このがん幹細胞でがんを発症させたマウスに、鉄を取り 除く薬を与えると、がんの腫瘍が小さくなった。 チームは昨年から、肝がん患者に対し、鉄分を除去する薬剤 を使った治療法の臨床研究を行っている。 大原助教は「鉄がないと、がん幹細胞が増える際に必要なたん ぱく質の働きに影響が出るのだろう。この手法でがん幹細胞を 攻撃できれば、がんを根治できる可能性がある」と話している。
過剰な鉄分はがんリスクに 名古屋大院チーム 中日新聞 2012年8月30日 体内に必要以上の鉄分が蓄積すると、がんになるリスクが高 まることを、名古屋大大学院医学系研究科の豊国伸哉教授や 赤塚慎也助教らの研究チームが、ラットを使った実験で突き止 めた。29日、米オンライン科学誌「プロスワン」に掲載した。 積極的に鉄を摂取する必要がある人もいるが、健康のためと サプリメントや食事で必要以上に取り込んでいる場合もある。 豊国教授は「体の状態に応じて、医療の場で個別に鉄の摂取に ついて考えるべきだ。鉄のサプリメントを不用意に取らないことや 定期的な献血ががん予防につながる可能性がある」と話した。