願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

財産の差し押さえと生活の保障

 <賠償金など不払い解消>

      養育費不払い解消へ新制度
      裁判所が口座照会
       共同通信 2016/9/12

  民事裁判で支払い義務が確定した子どもの養育費や
 犯罪被害者への賠償金が支払われないケースを減らす
 ため、法務省は12日までに、支払い義務がある人の財産
 の差し押さえを容易にする制度を導入する方針を固めた。

 裁判所が金融機関に預貯金口座の有無を照会し、支店名
 や残高を回答させる仕組みを柱とする。

 経済的に困窮している離婚女性や犯罪被害者などの救済
 につながる可能性があり、法改正を求める声が上がって
 いた。



 <強制執行による取り立て>

  貸した金銭を戻す場合や事故による損害の賠償を求め
 るときなどに、裁判で請求を認められたとしても、任意
 に支払われなければ解決にならない。

 この裁判で認められた権利をどう実現するか、という大
 きな問題がある。自力で相手から奪うということは認め
 られない。

 国の機関に強制執行を請求し、財産の差し押さえにより
 回収することになる。 その手続きは「民事執行法」に
 よることになっている。

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 <生活困窮者の差し押さえ>   逆の立場では、生活に困って救済が必要な問題がある。  ローンの支払いが滞ったり、税金を滞納して財産を強制  的に差し押さえされて生存が脅かされる場合がある。       熊本地震 義援金差し押さえ       禁止法案が衆院通過         産経新聞 2016.5.19   衆院は19日の本会議で熊本地震の発生後に全国から  寄せられる義援金の差し押さえを禁止する法案を全会  一致で可決した。  住宅ローンなど借金がある被災者に配られる義援金など  について、金融機関などによる差し押さえを禁止する。  施行前に集められた義援金も保護の対象。  <差押禁止の財産>   差し押さえ禁止財産とは    給与や期末手当、老齢年金など生活に欠くことが   できない財産は、全額を差し押さえすることが禁止   されている。   税の滞納について、差し押さえを実施する場合は、   家族構成や収入などの状況をみながら各自治体が   判断している、という。(コトバンクから)   憲法が保障する生存権がある。「すべて国民は、健康  で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とされ  ており、最低限の生活ができないような強制執行は許さ  れない。  1)年金の給付を受ける権利は、差し押えができない。    (国民年金法24条)   ただし、これを預金として管理されている財産は禁止   財産にならない。  2)税金の徴収については、給料等のうち最低生活費に   相当する額は、差し押えができない。  3)一般の民事手続きによる差し押えは、給料等の4分   の3は、生活の維持に必要なため禁止されている。         災害弔慰金や義援金       熊本日日新聞 2016年10月4日   問)熊本地震に関連して義援金などの支払いを受ける    権利や、実際に支給されたお金を、債権者は差し押    さえることができるのでしょうか。   答)これらの支給を受ける権利の譲り渡し、担保提供、    差し押さえは法律で禁止されています。また、実際    に受領した金銭の差し押さえも禁じられています。    ですから、債権者がこれらの権利や金銭を差し押さ    えることはできないのはもちろん、もし差し押さえ    られた場合には、その効力を争うことができます。     ただ、実際に支給を受けた後の預貯金口座の預金    や現金が、他の預貯金や現金と混じってしまうと、    差し押さえ禁止財産かどうかが分からなくなる場合    もあります。区別して管理したほうがよいでしょう。