読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

消費増税を延期するかどうか


 <増税推進の立場>

 

  次の日経新聞毎日新聞は、消費税増税をためらうなという
 意見です。


       増税延期の是非慎重に判断を
        日本経済新聞 2016/3/19


  雇用情勢の改善が続いているにもかかわらず、なぜ消費
 に波及しないのか。社会保険料の負担増や、社会保障

 の将来不安が消費を下押ししている影響は、どの程度ある
 のか。

 

 増税の是非を判断するうえでも、政府は消費不振の原因を
 しっかり把握しなくてはならない。

 

  一方で日本は先進国で最悪の財政状態にある。消費税は
 膨らむ社会保障を支える安定財源で、増税先送りにはリスク
 もある。

 

  増税実施の場合はその影響を和らげる経済対策を打つ手
 もある。これらの点を考慮し、経済状況をギリギリまで見極め
 てから増税の是非を最終判断してほしい。

 

  このところ、経済再生に向けた努力は日銀頼みになって
 いる印象がある。潜在成長率を底上げするための構造改革
 に、足踏みは許されない。

 

 雇用分野の規制改革や外国人材の活用などに、安倍政権
 は果敢に取り組むべきだ。

 

 

     消費増税の判断 政治の打算を離れよう
        毎日新聞 2016年3月30日


 *少子化対策に不可欠

  3党合意に基づく消費増税法は、税収増すべてを社会
 保障財源に充てると定めている。17年4月に予定される

 

 税率10%への引き上げは、もともと15年10月に実施する
 はずだった。だが、安倍晋三首相が14年秋に延期を決め、
 衆院を解散した。

 

  延期によって、社会保障充実の財源が確保できず、しわ
 寄せは特に子育て支援に及んでいる。「保育園落ちた」の

 

 ブログを機に噴出した親たちの怒りに向き合うためにも、
 財源の早急な手当てが必要だ。

 

  さらに、1000兆円を超す借金を抱える財政の立て直し
 がますます難しくなる。政府は「基礎的財政収支の20年度

 黒字化」を目標にしているが、消費税率10%が前提だ。

 

 再延期すれば、達成は絶望的になる。


 *同日選の大義にするな

  この参院選衆院選を重ねて、票の掘り起こしを進め、
 参院で自民党が獲得する議席の上積みを図ろうというのが

 

 衆参同日選論だ。その際、増税の再延期は首相が民意を
 問う大義名分になるという理屈である。

 

  だが、そんな発想は、増税を政争から切り離そうとしてきた
 これまでの取り組みを台無しにしかねない。

 

 

 <5年前の消費税引き上げ>

 

  過去の記事を見ると、次のような主張を展開している。このこと
 からすれば、上の2社の姿勢はやむを得ないのだろうか。


   社会保障財源に消費税上げ不可欠 新聞4社一致
       2011年2月26日 読売新聞

 

  読売新聞、日本経済新聞毎日新聞産経新聞の報道
 4社は、社会保障改革に関する集中検討会議で、消費税率
 の引き上げが不可欠と指摘した。

 


       どうする『一体改革』 消費増税法案
       協議に足る素案を示せ
         毎日新聞 2011年12月03日


   急激な少子高齢化が進む中、財政を再建し安心できる社会
 保障制度を構築するためには、無駄の削減だけでは財源に
 おのずと限界があることは、民主党議員も政権を運営していく
 中で分かったはずだ。、、、

 

 

       「社会保障と税」素案 暮らしの安心はどこに
           北海道新聞 2012年1月7日


  最初から増税ありきの議論では社会保障の将来像は描け
 まい。

 

 首相はきのう、一体改革と合わせ行財政改革や政治改革、
 経済再生に同時進行で取り組む考えを示した。
 
  だが改革をやり抜く覚悟は見えない。増税のための方便で
 は困る。

 

 

 

  この時にも専門家には、消費税増税だけでなく、相続税
 他の税もあろうという指摘があったにもかかわらずである。

 

 しかも現在では、世界的な経済学者が格差縮小こそ重要な
 課題だと説いており、経済成長にも所得格差は悪影響を及ぼ
 すという意見が多くなっている。

 

 

 

 <政府の経済政策を批判>


   消費増税延期論/経済失政認めることが先だ
        河北新報 2016/03/25


  思い起こしてほしい。首相が2014年11月、翌15年

 10月予定の増税延期を決め、アベノミクスを「この道しか

 ない」として、衆院解散を表明した際の記者会見だ。

 

  「国民の所得をしっかり押し上げ、地方経済にも景気回復の
 効果を十分に波及させていく。そうすれば、消費税率引き上げ
 の環境を整えることができる」と訴えた。

 

  しかし、再延期なら、アベノミクスによって増税環境は整えら
 れなかったことになるのではないか。

 

  確かに世界経済という外的要因はある。が、「リーマン」を
 増税延期の条件にしたからには、その変動をある程度は織り
 込んでいたはずだ。現状が「大幅な収縮」に当たるのかどうか
 さえ疑問だ。

 

  アベノミクスは、日銀の大規模緩和を頼りに円安、株高で
 大企業や富裕層が受ける恩恵を中小や地方に及ぼすことを
 狙いながら、一向にその政策効果が上がらない。

 

 それどころか、格差の拡大を招いている。個人消費が低迷
 したままなのが、その証しだ。

 

  スティグリッツ米コロンビア大教授は先進国で進むその格差
 拡大を問題視。格差縮小が経済の改善に必要だとし、富の

 

 再配分に向けた相続税や金融取引税の増税、教育に対する
 政府支出増についても提言した。まさにアベノミクスに欠けた
 視点ではないか。

 

  増税を見送るなら、経済失政を認め、路線の転換を図るのが
 先だ。スティグリッツ氏らの提言の一部を強調し増税延期だけ
 を決めるのは筋が通らない。「耳の痛い」指摘にこそ、耳を傾け
 るべきだ。

 

  増税延期について、再び国民に信を問うとして衆院を解散し
 「衆参同日選」に打って出ようものなら、ご都合主義以外の
 何物でもあるまい。