GDP成長率と個人消費の回復
GDP3.9%成長に上方修正 1~3月年率改定値 日本経済新聞 2015/6/8 内閣府が8日発表した1~3月期の国内総生産(GDP) 改定値は、物価変動の影響を除く実質で前期比1.0%増と、 速報値から0.4ポイント高くなった。年率換算では3.9%増 と、1.5ポイントの大幅な上方修正となった。 生活実感に近いとされる名目は前期比2.3%増、年率換算で 9.4%増と、バブル期以来の高水準となった。 民間予測(年率2.7%増、QUICKまとめ)を大きく 上回り、2014年1~3月期(年率4.4%増)以来の高い伸び となった。 大きな要因は企業の設備投資だ。特に増えたのが卸・小売 業や電気業、サービス業など非製造業。物流センターや ホテルへの投資が増えている。国内の消費回復の兆しを 反映しているようだ。
<個人消費をどうするか> 6月8日にGDP改定値が発表され、予想外に高い成長率に なっていると大きく報道されている。 ただ、内容を分析した記事では、また違った受け止め方が あり、設備投資と民間在庫の増加については、評価が分かれ ている。 一方、個人消費が思わしくないという点は共通認識になって いるようです。 企業負担をさらに軽減して、利益を増大する、賃金に波及して 家計の所得を増やし消費につなげるという主張。 それとも、個人消費を重視して家計への配分を厚くするか。 互いに立場を主張し続けて行くことになるのだろうか。
1~3月期、年3.9%増=大幅上方修正、 設備投資伸びる-GDP改定値 時事通信 2015/06/08 設備投資が速報値より伸びたことが影響した。消費税増税 以降、低迷した日本経済が回復に向かっていることが裏付け られた。 ただ、民間在庫の増加によるGDPの押し上げ効果が大きく、 「実力より高い数字」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済 調査室長)との指摘が出ている。 需要項目別にみると、設備投資は前期比2.7%増(速報 値0.4%増)に上方修正された。卸・小売業やサービス業 などが増えた。 一方、住宅投資は1.7%増(1.8%増)、公共投資は 1.5%減(1.4%減)へともに下方修正。 個人消費は0.4%増、輸出は2.4%増、輸入は2.9% 増で、いずれも速報値と変わらなかった。
個人消費 回復鈍く GDP上方修正も 景気実感低下…広がるか賃上げ恩恵 SankeiBiz 2015.6.8 内閣府が8日発表した平成27年1~3月期の実質国内 総生産(GDP)改定値は、前期比で大幅な上方修正と なった。 だが、GDPの約6割を占める個人消費の回復は鈍い状況 が 続く。内閣府が同日発表した5月の景気ウオッチャー 調査(街角景気)でも、景気実感を示す現状判断指数が 6カ月ぶりに低下した。 設備投資に回復の兆しが見えつつある中、個人消費の動向 が本格回復の決め手となりそうだ。 GDP改定値の大幅な上方修正に関して、民間エコノミ ストの多くは「年率3・9%増のうち、2・2%が在庫の 積み上がりによるもの。それで成長率が押し上げられた面 が大きい」と指摘した。 販売が増えると見込んで在庫を抱えた場合だけでなく、 消費不振で製品が売れ残って在庫が増えたケースもGDP の統計上はプラスとみなされる。 1~3月期は、民間の在庫が積み上がり、経済の実力以上 にGDPを押し上げた面がある。 今後の景気動向は、夏のボーナス支給に伴う個人消費が 頼みの綱だ。しかし力強さを欠いたままでは、積み上 がった在庫を消化できずに、生産の足を引っ張る恐れが ある。4~6月期のGDPは弱含みとなるとの見方が根 強い。