自転車走行でも事故の備え
小5自転車衝突、母親に 9520万円賠償命令…神戸 読売新聞 2013年7月5日 神戸市北区で2008年9月、当時小学5年生だった少年 (15)の自転車にはねられて意識不明の状態が続いている 女性(67)の夫と、保険金を支払った損害保険会社が、 少年の母親に計約1億590万円の損害賠償を求めた訴訟の 判決が4日、神戸地裁であった。 田中智子裁判官は「自転車の運転に関する十分な指導や 注意をしていたとはいえない」として、計約9520万円の 支払いを命じた。 判決によると、少年は自転車で帰宅中、歩道のない下り坂 で正面から歩いてきた女性と衝突。女性は頭などを強く打 ち、今も寝たきり状態が続いている。 判決で田中裁判官は「少年の前方不注視が事故の原因」と 認定。 「母親の指導は奏功しておらず、監督義務を果たしていな かった」と指摘し、「危険な運転ではなかった」などとする 母親の主張を退けた。
<損害賠償責任> 事故になった場合、民事上の解決のために、被害者がこうむる 損害額が計算されて、賠償すべき金額の決定と進められる。 ケガの場合は、医療費、休業の損失などが計算されるが、後遺 障害が出る場合には、本来得られる見込収益などが加算される。 死亡になると、逸失利益の賠償額は、特に前途ある被害者で あれば、膨大な金額になり得る。 <賠償能力> そして、実際の解決のため示談、裁判、調停、和解などの手段が 使われるが、重要なことは実際に損害が補填されること。 上の記事のように、判決で高額の損害賠償が認定されたとしても、 支払いを受けるまでは解決にならない。 任意の支払いがない場合は、徴収の方を、また裁判所の力を利用 して、強制的にも行なわなければならない。 事故に遭遇すると、被害者も加害者にも大きな負担になり、のち のちまで長く縛られることになりかねない。 そうしたことを防ぐ必要から、自転車損害保険への加入が勧めら れている。
自転車事故への備え 加害者側には賠償責任も 福井新聞 2013年9月21日 自転車で人身や物損事故を起こした際に被害者への賠償 金を補償する「自転車保険」への関心が高まっている。 小学生が起こした人身事故で裁判所が9500万円の損害 賠償を母親に命じるなど、相次ぐ高額判決が背景にある。 立命館大では、自転車通学の学生全員に保険加入を義務 付けている。学生が自転車で死亡事故を起こしたのを受け た取り組みで、義務化は全国の大学でも極めて珍しいと いえよう。 自治体も保険加入を促している。東京都は自転車の安全 利用に関する条例を制定し、利用者の保険加入を努力義務 とした。 京都市も「自転車安心安全条例」で、自転車損害保険への 加入を勧め、継続的な加入を促進するとしている。 日本交通管理技術協会が扱う「TSマーク付帯保険」も ある。TSマークは自転車安全整備店で自転車を購入、 整備した際に張ってもらい、最高2千万円の補償がつく。