願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

民泊でも規制緩和

 <民泊普及へ規制緩和>

  旅行者のための民泊が盛んに取り上げられる。そして、
 ここでも強い規制緩和の主張が出ている。


     民泊普及へ規制緩和を後退させるな
       日本経済新聞 2016/03/27

    大手民泊仲介サイトによれば、欧米の先行例
   では、一般の個人が自宅の一室などに旅行者を
   泊める「ホームステイ型民泊」が主流だという。
   休眠資産の有効活用と外国人との交流が主な
   目的になる。

    しかし日本では、収益だけを目的にマンショ
   ンなどの部屋を用意して客を泊める「ビジネス
   型民泊」が多数派を占めている。

   実態は限りなくホテルに近い。このため、ゴミ
   出しなどのトラブルや旅館業界の反発を生んで
   いる。

    これら2タイプの民泊は、きちんと区別して
   議論したい。そうしないと議論が混乱し、結果
   的に新しい旅行文化の芽をつぶすことになりか
   ねない。

    ホームステイ型は宿泊者の身元確認など最低
   限の義務を除き、原則的に自由に認めるべきだ。
   旅館業法はもともとホームステイ型民泊のよう
   な形態を想定しておらず、同法の対象とするこ
   と自体に無理がある。


  * * * * * * * * * * *


 <ビジネス型とホームステイ型>

  「ホームステイ型民泊」が主流だというが、主な目的が
 休眠資産の有効活用と外国人との交流だと。

 「ホームステイ型民泊」といいながら、休眠資産の有効活
 用の目的を認めている。しかも、規制緩和をいうからには
 経済成長のためであろう、そのことは、ビジネスの振興で
 はないか。

 「きちんと区別して議論」するのは難しい。

 大都市で民泊といえばマンションであろうが、空家解消に
 なるとしても、外国人との交流とか旅行文化が期待できる
 はずはない。

  ホームステイ型、とか最低限の義務とか一律に定めなく
 ても各地域の実情を重視し、共同体や各自治体の判断にす
 るのが相応しい事柄ではないのか。

  無理に成長戦略という話になるから、難しくなる。生活
 の安全、社会の安定こそ大切にすべき基盤であろう。

  その点、沖縄タイムスには的確な説明がされている。



    「民泊ルール」定着の鍵は「住民理解」
      沖縄タイムス 2016年2月9日

    一般住宅やマンションの空き室をホテル代わ
   りに使う民泊は、その土地ならではの雰囲気が

   味わえ、価格も手頃と人気だ。貸し出す側も空
   き部屋を有効活用できるメリットがあり、地域
   経済への波及効果も期待される。

    新しい宿泊形態が人気とはいえ、聞こえてく
   るのはなぜかトラブルばかり。本来、有料で繰

   り返し泊めるには旅館業法の営業許可が必要に
   もかかわらず、無許可営業が横行しているから
   だ。 

    知らない人が出入りしセキュリティーに不安
   を覚えるというマンション居住者。近隣住民か
   らは、ごみの未分別や騒音といった生活面での
   苦情も目立つ。 

    ひとたび火事や地震が起きた時の対策など命
   に関わる問題、感染症予防などの課題も指摘さ
   れる。 

    法的な位置付けがあいまいなまま急速に増え
   てきただけに検討すべき課題が多い。 

    県内では修学旅行生を一般家庭で受け入れる
   ホームステイ型の民泊が盛んだ。農作業で汗を

   流し、料理を手伝うなど、体験や交流を重視し
   た取り組みが喜ばれ、それがリピーターにも
   つながっている。 

    民泊のルールづくりでは家主が部屋に居住し
   住宅の一部を貸し出すホームステイ型と、投資
   物件として空き室を活用するケースは分けて
   考えた方がいい。 

    民泊成功の近道は、近隣住民が温かく迎える
   環境を整えることである。市民生活との調和を
   軸にルールを確立すべきだ。