願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

鉄道経営で背負う大きな課題



      約3年ぶり…三陸鉄道北リアス線も
      全線で運転再開
        テレ朝news 2014.04/06

  東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県三陸鉄道は、
 5日の南リアス線に続き、6日は北リアス線が全線で運転を
 再開しました。

     (中略)

  三陸鉄道は全線での復旧を果たしました。しかし、車窓から
 の風景はいまだ復興とは程遠い被災地のままです。

 進まない町づくりと人口流出に伴う乗客の減少。三陸鉄道は、
 大きな課題を背負ったまま再び走り出しました。


  地方鉄道が復旧したというとき、「大きな課題を背負ったまま
 再び走り出しました。」と報道するとは、どうなのか。

 *車窓からの風景はいまだ復興とは程遠い被災地のままです。

 *進まない町づくりと人口流出に伴う乗客の減少。

 *開業当初は、年に270万人近くいた乗客も、年々減少。

 *20年連続で赤字を計上しており、赤字路線の立て直し
  など課題を抱えたまま。


   こうした状況が事実であっても、鉄道会社や地元住民が負う
 べき問題だろうか?

  この背景には、復旧費用はほぼ全額国費でまかなわれた、
 鉄道とバスでは復旧費用が桁はずれに違う、なぜ鉄道にこだ
 わるのかという批判があるようです。

  BRT(バス高速輸送システム)で復旧する方が、早くてコストも
 かからないということでしょう。

  しかし、現実にはバス輸送に切り替えたとしたら、将来性が
 ないという不安がある。

 鉄道よりも経営は悪化して、やがて公共交通は廃止になって
 いくと予想されている。そして、周辺の衰退が加速する。

  鉄道は住民の足というにとどまらず、地域の景観、環境、文化
 を代表するランドマーク、シンボルになる要件を備えている。

 輸送手段以外に観光資源、人の集まる交流拠点など社会的な
 有効性を認める意見がある。

  この地方鉄道の廃止問題は全国に広がっているが、九州の
 肥薩おれんじ鉄道もそのひとつ。

 九州の鉄道では意欲的な企画が多く、注目されているが、下の
 記事のように広範なバックアップがあるようです。


      肥薩おれんじ鉄道・阿久根駅改修
      図書館やカフェ併設
         読売新聞 2014年05月14日

  阿久根市肥薩おれんじ鉄道・阿久根駅の改修工事が終わ
 り、駅舎で記念式典が開かれた。図書館や飲食施設を備え、
 市の活性化拠点としての役割も期待されている。

  駅舎の老朽化に伴う工事。市が「にぎわいづくりの拠点に
 したい」として、事務室などを除く駅舎の大部分を同鉄道から
 無償で譲り受け、約2億1000万円をかけて改修した。

  デザインは豪華観光寝台列車ななつ星in九州」などを手
 掛けた工業デザイナー、水戸岡鋭治さんが担当し、木をふん

 だんに使ったぬくもりのある造り。 図書館や食堂、カフェ、
 特産品販売所、観光案内所などを設けた。利用者の7割を

 高校などの通学者で占めるため、待合室に机や椅子を多く
 配置して学習環境も整えた。


     鹿児島県市長会と町村議長会
      おれんじ鉄道支援決める
      南日本新聞 2014 05/16

  第三セクター肥薩おれんじ鉄道の経営支援について、
 鹿児島県などが全市町村の財産である県市町村振興協会の

 基金からの負担を求めている件で、県市長会(会長・森博幸
 鹿児島市長)と県町村議会議長会(田之畑稔東串良町議会

 議長)は15日、基金活用に同意することをそれぞれ決めた。
 協会を構成する4団体のうち3団体が同意し、残る市議会
 議長会の判断が注目される。

  臨時会後、森会長は同意理由を「(おれんじ鉄道による)
 貨物輸送は県全域に影響があり、おれんじ鉄道は県全体の
 観光資源」と説明。

  町村議会議長会は同日、鹿児島市で臨時総会を開き、
 全会一致で同意した。田之畑会長によると、九州新幹線に

 よる県経済への波及効果や肥薩おれんじ鉄道の貨物輸送
 や観光、地域連帯などの面から「全県的な支援が必要。
 基金活用は妥当」との結論に至った。