願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

公務員の違法行為で被害者の賠償請求は

 ☆体罰自殺で損害賠償負担

    桜宮高の元顧問に半額負担請求へ
    体罰自殺で大阪市
       共同通信 2017/8/29

  2012年に大阪市立桜宮高のバスケットボール部
 顧問の男性から体罰を受けた男子生徒が自殺した

 問題で、大阪市が、遺族に支払った損害賠償の半額
 を負担するよう元顧問に求め、大阪地裁に提訴する
 方針を固めたことが29日、分かった。

  遺族は13年12月、大阪市に約1億7千万円の損害
 賠償を求めて東京地裁に提訴。同地裁は16年2月、
 市に約7500万円の損害賠償と遅延損害金の支払いを
 命じ、遺族側、市側の双方が控訴せず確定した。



 ☆公務員による違法行為

  公務員による違法行為によって被害を受けた場合は
 公務員個人でなく、国や自治体に賠償責任を求めるこ
 とになっている。


 国家賠償法

  第一条

  1.国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員
   が、その職務を行うについて、故意又は過失
   によって違法に他人に損害を加えたときは、
   国又は公共団体がこれを賠償する責に任ずる。



  この場合の公務員個人の賠償責任については規定さ
 れていないが、過去の裁判で次のような考えが示され
 ている。


  職務の執行に当たった公務員は、行政機関としての
 地位においても、個人としても、被害者に対しその
 責任を負担するものではない。

   (昭和30年4月19日 最高裁 判決)


  資力のある国又は公共団体から賠償を受けられれば、
 公務員から直接賠償を受けなくても、被害者は被った
 利益は填補され、被害者の救済に欠けることはなく、

 加害者たる公務員も求償を受けることがあるから、
 公務員が特に個人責任を免除され不公平に優遇されて
 いるとはいえない。

   (平成23年7月25日 大阪地裁 判決)


  我が国の不法行為に基づく損害賠償制度は、被害者
 に生じた現実の損害を金銭的に評価し、加害者にこれ
 を賠償させることにより、被害者が被った不利益を

 補填して、不法行為がなかったときの状態に回復させ
 ることを目的とするものであり、加害者に対する制裁
 や将来における同様の行為の抑止、すなわち一般予防
 を目的とするものではない。

   (平成9年7月11日 最高裁 判決)

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 ☆損害賠償金の求償権   公務員個人に被害者から賠償責任を求めることは  できないが、国又は公共団体が支払った賠償金を、  その公務員に求償する権利が認められている。   第一条   2.前項の場合において、公務員に故意又は重大    な過失があったときは、国又は公共団体は、    その公務員に対して求償権を有する。   公務員に重大な過失があった場合は、その違法行為  により損害を加えた公務員に対して賠償金を負担させ  ることができると定めている。   故意又は重大な過失があったかどうか、認められれ  ば、その個人に負担が求められる。  ☆担当者の重大な過失が認定された判決      元県土建部長らの過失認定      7100万円請求 知事に求める     八重山毎日新聞 2017年07月20日  *識名トンネル訴訟で那覇地裁判決   識名トンネル建設の虚偽契約問題をめぐり、県内  在住の住民が仲井真弘多前知事や当時の県土木建築 部長らで国への補助金返還額のうち利息分の7千百  万円余りを連帯して支払わせるよう翁長県知事に求  めた住民訴訟の判決が19日、那覇地裁であった。  剱持裁判長は、建設工事契約の一部の違法性を認め、  元県土木建築部長と元南部土木事務所長に計7千百  万円余の賠償を請求するよう翁長知事に求める判決  を言い渡した。   この問題で県は、会計監査院から「虚偽の契約書  などを作成し工事の実施を偽装。不適正な経理処理  を行い補助金の交付を受けた」との指摘を受け、  国庫補助金5億7百万円と利息分7千百万円余を返  還している。   判決では、元南部土木事務所長が虚偽契約の締結  に積極的に関与したと認定。元県土木建築部長に  ついては「しかるべき調査をして、これを認識すべ  き義務があったにもかかわらず、これを怠り、注意  義務に違反して阻止しなかった重大な過失があると  言わざるを得ない」とした。