教育再生のため家庭のあり方を
<家庭や地域の役割> 自民党「学校・家庭・地域の役割分担」 議論へ部会設置 産経ニュース 2016/10/14 自民党の教育再生実行本部(本部長・桜田義孝元文部 科学副大臣)は14日の会合で、「学校・家庭・地域の 教育部会」などの部会を設ける構成案を了承した。 政府の教育再生実行会議は教師の長時間労働が問題だと して家庭や地域との役割分担に関する議論に近く着手す る予定で、党も政府と連動して検討を進める。
<社会化に逆行> 貧困、医療、高齢者介護などを、家庭内に閉じ込めず 社会全体で支えていく「社会化」が進行しているはずが、 最近は個人の責任を強調する姿勢が目立っている。 教育についても奨学金の充実を目指すのは、親の貧困に 左右されぬよう子供を社会で育てるということではな かったか。 学校や教員の負担が増しているから、家庭や親が責任 を果たすべきだという。全く逆転した発想ではないか。 様々な家庭の事情に配慮せずに教育を担わせる、子供の 権利を削減し、生活に干渉するとは理解できない。 仕事のために教育に時間を割けない家庭の子は一層不利 になる。格差を広げる原因を作り、教育の機会均等精神 にも反している。 <家庭のあり方> わが家は共働きで2人とも時間は不規則 沖縄タイムス 大弦小弦 2016年11月22日 わが家は共働きで2人とも時間は不規則。口が裂けて も「子どもへの家庭教育はしっかりやっている」なんて 言えない。自民党はそんな家族を「公的に助ける」とし て、来年の通常国会に法案を出す。その名は「家庭教育 支援法案」。 一見聞こえがいいネーミングだが、家庭教育を「国家 と社会の形成者として必要な資質を備えさせる」と規定。 自治体はそれに沿った方針を立て、地域住民は協力する 「責務」を負うという内容だ。 「自主性の尊重」は明示されるが、国が「家庭のあり 方」を一律に決め、できなければ自治体や地域が介入す る。今、盛んに言われている「困っている家には周囲が 手を差し伸べよう」とは似て非なるものだ。 そもそも法案は、子育てに困難を抱える親が求めてい るものなのか。保育園の充実、現状の支援活動への助成 や人員増など、国がやるべきことは山積している。 識者から「法案は家庭での個の尊厳をうたう憲法24 条改定への布石では」と危ぶむ声が出ている。麻生太郎 副総理が理想とする改憲の手口を「ある日気付いたら変 わっていた」と言ったとおり、法案がすんなり成立し そうなのが怖い。 国が単一の価値観を法で規定すれば、そこから外れる 人にとっては生きにくい社会になる。周囲に頼りっぱな しで子育て中の身だが、大きなお世話だ。