就職率が好調、早期離職も多い
<3年以内の離職率> 3年以内の離職、31.9% 13年春の大卒者 厚労省 時事通信 2016/10/25 厚生労働省は25日、2013年3月に大学 を卒業し、就職した人の離職状況調査を発表し た。卒業後3年以内に勤め先を辞めた人の割合 は前年比0.4ポイント低下の31.9%とな り、2年連続で減少した。 ただ、雇用情勢の改善を背景に希望する仕事を 求めて転職する人が引き続き多いとみられ、 3年以内の離職率は4年連続で30%を超えた。 離職率は1年目が12.8%と最も高く、2年 目は10.0%、3年目は9.1%。 3年以内の離職率を事業所の規模別で見ると 5人未満は59.0%に上るが、1000人以 上では23.6%にとどまり、規模が大きい ほど離職率は低い。 業種別では、宿泊・飲食サービス業が50.5 %と最も高く、電力・ガス・熱供給・水道業が 8.5%と最も低かった。 <退職理由は> 理想と現実のギャップと表現されているが、具体的に は仕事が合わないこと、労働時間・休日の問題やノルマ の重さなどをあげているという。 つまり、会社側か求職者側かいずれかに情報が十分では なかったということ。知識不足が原因になる場合もある が、極端にいえばブラック企業のように適切な情報を示 さず契約する場合がある。 本来、合意に至ることがないようなケースがあるという ことは、就職後3年にならなくとも就職すら避けても おかしくない、不本意な就職といえる。 <その後の再就職は> 年長者が、「若者には我慢が足りない」ということが あるが、事情を知っていないと批判される。 まず、企業側の事情として人件費を使う余裕がない、 新入社員に研修などスキルを着けるためのコストを惜し むようになっている。 スキルを必要としない企業、単純作業の多いサービス業 など離職率の高い業界への就職率が高いのが現実である のに、好況を反映して全体に求人が伸びているかの報道 は偏っていると指摘されている。 従って、早期離職後の再就職は厳しく、もっと条件の 悪い企業、ブラック的な業界に行ってしまうという状況 があるという。 キャリアを積めず、「キャリアがない」と扱われるから 次の就職先を探すのは容易でない。 一方、離職率の低い会社は、コストをかけても教育して いるので辞められない、定着する傾向がある。 * * * * * * * * * * * <就職率は最高を更新> 大卒就職率97.3% 1997年 以降で最高 朝日新聞 2016年5月20日 今春卒業した大学生の就職率は97・3%で 前年同期から0・6ポイント増え、調査を始め た1997年以来最高となった。文部科学省と 厚生労働省が20日発表した。 2011年に最低(91・0%)を記録した後 5年連続で改善し、これまでの最高だったリー マン・ショック前の08年3月卒(96・9%) を上回った。 就職率が改善した理由について、文科省の担 当者は「景気が良くなって企業側の求人需要が 非常に高まっている」と説明。 全国の高校に実施した調査では、今春卒業し た高校生の3月末時点の就職率は97・7% (前年同期比0・2ポイント増)と6年連続で 改善。調査は1977年から続けており、24 年ぶりの高水準だった。 特に製造、建設、小売業の求人数が伸びたと いう。