農業と鉄道会社で働く
<農業の競争力> 農業とIT 実用化で輸出競争力高めよう 読売新聞 2016年09月27日 農業を収益性の高い成長産業にするには、 若者や企業など多様な担い手を呼び込むことが 欠かせない。それには、農業とITの結び付き をより強固にすることだ。 畜産物や果実は、日本産の高級品が海外でも 人気を博す。先端技術が実用化されれば、輸出 競争力を一段と引き上げるだろう。 IT活用の効果を最大限に発揮させるには、 構造改革を進めることも忘れてはならない。 自動化や機械化のメリットをより大きく引き出 すためには、営農の大規模化が不可欠だ。 バラマキ型の農業補助制度を改め、経営意欲 の高い中核的な農家に支援を集中する。企業に よる農業参入のハードルを下げる。農地を集約 して規模拡大を図る。 農業の「稼ぐ力」を強めるには規制改革と 技術革新の相乗効果を上げる戦略が求められて いる。 * * * * * * * * * * * <棚田を守る> 「儲かる農業」を謳い、農業の収益性を向上させる、 競争力をつけると強調する。 地方農村に行っては、「美しい日本」「棚田を守る」と 演説する政治家がいる。 棚田を守るとは、農業を食料生産に限ることなくその 多面的機能を認めること、そのために補助を惜しまない ということ。 「農業に多面的機能」というと、経済関係者はこれを ムダとして切り捨てる。 ムダといえば、地方の赤字鉄道廃止を主張する。また、 過疎地の保護をやめて都市に集住することも主張する。 彼らは経済効率第一で多様性を侮り、画一的な社会を 進めることになる。 自然にしても社会的にも、画一的なものよりも多様性 を持った方が生き残りやすいと一般に考えられている。 画一的な社会の危険性は、現在でも広く認識されており、 いかにして、多様性を図るかは重要な課題となっている。 農業に環境保護、景観や農村地域の文化保全などを認 めること、地方の多様な都市が発達、存在することに 重きを置くかどうか。 ヨーロッパなどの農業国も、こうしたことを目的に補助 をしていることはよく知られている。 <兼業農家> 農業に収益性を求め、その生産で自立することを求め る立場からは兼業農家は、農業を遅らせる弊害とされる。 しかし、どの企業でも主力部門を専業で通しているの は数少ない。トヨタは織機からスタートしてトラック、 そして乗用車の自動車生産が中心になっている。 最近農業就業者が増えているといわれるが、被用者と しての就業が多い。つまり、農業労働プラス安定収入が 受け入れられている。兼業農家を批判する必要があるか どうか。 多角経営で企業を維持、発展させているのがほとんど だろうが、JRについても注目されている。 <JR九州の副業> JR九州30年越しの上場 ななつ星と副業と NHK 2016.10.28 *上場実現の秘策は「副業」 危機感を募らせた社員たちが収益改善の秘策 と考えたのが「副業」、つまり異業種への参入 でした。 駅ビルやホテル開発はもちろん、マンション開 発に学童保育の運営。農業、ドラッグストア、 それに居酒屋や八百屋など、将来の成長が期待 出来る事業には何でも挑戦しました。 JR九州は数々の副業で経営を多角化し、収 益源をいくつも育てた結果、今年3月期の決算 で、売り上げにあたる営業収益が過去最高の 3779億円に上りました。 このうちの実に6割が鉄道運輸収入以外の関連 事業によるもので、JR九州は約30年をかけ て従来の「鉄道会社」のビジネスモデルを超え た「総合的なまちづくり企業」に姿を変えたの です。