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願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

医療分野の規制と経済成長

社会保障
 <医療分野の生産性向上>

    日本再興 医療・介護の生産性向上が課題
       毎日新聞 2016/09/15

   *国民皆保険堅持か混合診療解禁か
    議論が再燃 

    医療・介護分野で生産性を高め、所得を伸ば
   していくことが、再興戦略では欠かせない課題
   となっている。

    では、医療や介護の分野で、どのようにして、
   再興戦略を実施していくのだろうか。そこで問
   題となるのは、国民皆保険制度との兼ね合いだ。

    混合診療の拡大により競争メカニズムが働く
   ようにすべきという指摘もあるが、この混合診
   療の解禁をめぐっては、これまでも激しい攻防
   が繰り広げられてきた。

    保険診療の対象となっていない新しい医療や
   医薬品を使いたいという要望は強い。政府の

   規制改革・民間開放推進会議や経済界の強い主
   張を受け、04年に混合診療の拡大が決まった
   ものの、全面解禁は見送られている。

    混合診療をめぐっては、私費の部分の拡大は
   保険財政を安定させる一方で、医療機関がもう

   かる私費診療に力を注ぎ、保険医療の水準が低
   くなり、国民皆保険制度の崩壊につながるとい
   う反対論も根強い。 

    保険制度を基本としながらも公費の投入で支
   えている現在の医療や介護の仕組みをどうする

   のか。さらに、革新的な医療や介護の技術、
   サービスを生み出すには、競争原理に基づいた
   私費による診療や治療の拡大が不可欠という。 

    医療や介護分野の生産性向上が、日本経済の
   再興のカギを握っているとはいえ、国民皆保険
   制度のもとで、医療、介護制度の改革をどの
   ように進めていくのかの議論が再燃しそうだ。

     (部分的に引用した)


  * * * * * * * * * * *


 <公的制度の縮小>

  上の記事は歯切れが悪いが、要するに公的制度の縮小
 が大っぴらに主張されるようになっている。

 公的サービスを続けることが財政的に厳しいから、むしろ
 それを好機として、医療分野においても民間産業の成長を
 進めていく。

 公的な保険の対象外となる民間サービスを積極的に育て、
 拡大していこうという動きが経済関係者にとどまらず、
 広がっていることを表している。

  健康、長寿など富裕層向けの医療サービスが広がって、
 成長するのはいいが、普通の国民に不可欠な保険サービス
 を削ることがあっては社会が安定しない。



 <社会保障費の抑制>

  高齢者の増加で、国民の保険料や税負担が高騰していく。
 負担をどう分け合うかという議論は避けられない、という。

 しかし、生活が苦しい人をないがしろするような制度にし
 てはセイフティネットにならない。

 ゆとりのある人から、能力に応じて負担を増やしてもらう
 ように社会保障を維持して欲しい。

  高齢者の窓口負担を引き上げるにしても、経済力に応じ
 た負担に変えていく、保険の適用範囲について漢方薬や
 うがい薬を一部自己負担にするなどの話は、医療費削減の
 手段としてあるのかも知れないが。



 <必要な医療を受けられるように>

    混合診療の拡大 「成長」の道具にするな
       京都新聞 2014年06月12日

    保険が使える診療と保険のきかない自由診療
   を併用する「混合診療」を拡大し、新たに
   「患者申出療養制度」を設けるという。

    命を左右する医療を、経済対策の道具とみる
   ような姿勢を危ぶむ。安易な混合診療の拡大は、

   いつでもどこでも比較的安価に医療を受けられ
   る日本の「国民皆保険」の基盤を崩しかねない。
   慎重な検討を求めたい。

    混合診療が認められても、自由診療部分は
   自己負担になる。それこそが政府の狙いで、医
   薬業界の利益が増し、市場が活気づくと見込む。

   新制度により、新薬や先端機器の治療などを望
   む患者には受診しやすくなる面もあろう。

    だが、混合診療をなし崩しに広げれば、高い
   治療費を払えない人は必要な医療が受けられな
   い事態になりかねない。混合診療を認めるにし

   ても、有効性が確認できれば保険適用にしてい
   くのが原則だ。保険給付費を抑えるため、自由
   診療を増やす発想は許されない。

    薬をめぐる製薬業者と医療者の癒着や不正も
   問題化している。経済的な思惑を排し、患者の
   利益を最優先に制度を議論すべきだ。