外国人労働の問題点
外国人の家事代行、政府が来春 解禁 まず神奈川県で 朝日新聞 2015年12月10日 政府は外国人による家事代行サービスを来春に解禁する。 地域を絞って規制を緩める「国家戦略特区」を活用し、まずは 神奈川県で外国人労働者を受け入れる。 人手不足が進むなか、家事代行の担い手を増やして女性が 仕事をしやすい環境を整え、経済成長につなげるのが狙い で、家事代行を手がけるパソナやダスキンなどが参入を予定 している。 11日に開く国家戦略特区の会議で、解禁を決める。炊事や 洗濯、掃除、買い物といった一般的な家事や、子どもの世話 が対象になる。大阪府への拡大も検討している。
<積極的推進の考え> *子育て、共働きなどで仕事が忙しいという家庭の家事を支援 するため。 *女性の活躍を促すと神奈川県が積極的に提案している。 *介護分野の人手不足も深刻であり、技能を持つ外国人に門戸 を広げなければ、需要はまかなえない。 <経団連の考え> 外国人労働者受け入れについて経団連は、社会的な必要性を 強調して次のように話していますが、 「外国人材の受け入れを促進することは、持続的な経済成長 に資する。多様な価値観や発想、知識・能力・経験を有する 外国人材の活躍を促していくことは、イノベーションの創出を 推進していくためにも重要」 (経団連会長 2015年10月03日) 一方で、基本的な考え、目的は次のようなものだと分かります。 「労働需給のミスマッチは、若年者、女性、高齢者等の雇用を 通じて解消することが重要であるが、求人募集をしても応募者 がない場合も多く、外国人材をも含めた人材の確保が考慮され てよい状況が生じている。」 (第二次提言 2007年3月20日) つまり、日本人の雇用が難しい場合があるから、外国人材の受 け入れが必要になっているということ。 <慎重な意見> 外国人労働者の搾取や人権侵害につながらないか懸念する 意見もある。 外国人労働をめぐっては、国はこれまで家事労働者の在留資格 を原則として認めていない。
外国人「お手伝いさん」特区実現へ 女性の家事負担軽減狙う 普及へ価格課題 毎日新聞 2015年6月21日 経済連携協定(EPA)に基づき、2008年に海外からの 介護労働者受け入れを決めた時は、「サービス利用者と 労働者相互の人権侵害が起こりうることも考慮し」(厚生 労働省)、利用者宅でのサービスを認めなかった経緯がある。 伊藤るり一橋大教授(国際社会学)は「契約を超える無理 を利用者から言われても、外国人は帰国させられることを 恐れて権利を主張しづらい。言葉が通じず誤解からトラブル に発展する可能性もある」と指摘。「研修や渡航の費用負担 や雇用要件、不正監視の体制を透明性の高い形で決める べきなのに、具体的な要件が分からないまま法改正が進ん でいる。政令や指針に労働団体や人権擁護団体の意見が 反映される仕組みを担保すべきだ」と提言する。
外国人の「お手伝いさん」受け入れ 特区の神奈川など 読売新聞 2015年11月2日 *密室の労働、人権に配慮を 国は女性の活躍推進の後押しになるとするが、密室での 労働だけに、外国人女性への人権侵害を危惧する声もある。 外国人支援に携わる「移住者と連帯する全国ネットワーク」 事務局長の山岸素子さんは、「女性活躍推進のため、立場 の弱い外国人女性に家事をさせることに違和感がある。 男性の家事分担も十分議論されていない」とし、外国人労働 者が安心して相談できる窓口の必要性を強調する。 和光大教授の竹信三恵子さんは、「『第二の主婦が手に 入る』と喜ぶ人もいるが、利用する際は、人権侵害に加担し ていないか、自らチェックしてほしい」と指摘する。