願わくば大新聞も

ときの政権が右という場合でも、なびかないで欲しいと

派遣労働者解雇の紛争

 

      日産雇い止め訴訟、横浜地裁が元派遣
      社員らの請求棄却
         神奈川新聞 2014年3月26日

  派遣先の日産自動車などから不当な雇い止めや契約解除
 を受けたとして、元派遣社員ら5人が、同社と日産車体、
 
 派遣会社に対し解雇の無効や慰謝料などを求めた訴訟の判決
 が25日、横浜地裁であり、阿部正幸裁判長は原告側の請求
 を棄却した。

  原告は、日産自動車テクニカルセンターや、日産車体湘南
 工場、日産自動車横浜工場で働いていた元派遣社員や元

 期間従業員の男女。それぞれ8カ月から6年3カ月勤務して
 いたが、リーマン・ショックの影響で2009年2月から
 
 3月にかけて、4人が契約期間満了後に、1人が契約期間
 途中に解雇された。

  長期にわたる雇用実態などから派遣先との間に労働契約が
 成立し、解雇には合理的な理由がないとする原告側の主張

 に対し、阿部裁判長は、人員削減の必要性を認めたほか、
 雇用実態についても「労働者派遣法に直接違反はない」
 などとして退けた。

  訴訟はリーマン・ショック後、自動車業界で非正規雇用
 の契約打ち切りが相次いだ時期から約5年に及んだが、
 原告側の主張はことごとく退けられた。

 


  しかし、派遣社員であっても、解雇が容易に認められるという  ことではない。 最近出された判決で、解雇無効とした事例が  あります。   整理解雇では人員削減の必要性、解雇回避努力などを厳格に  判断するべきであるとして、要件が備わっていないと判定された  もの。

 

 <裁判の内容>

  被告(人材派遣会社)との間で雇用契約を締結し、派遣
 労働者として就労していた原告が解雇されたが、整理解雇
 の要件を満たしておらず無効であると主張した。

  整理解雇は、使用者の経営上の理由による解雇であって、
 その有効性について厳格に判断するべきである。

 人員削減の必要性、解雇回避努力、人選の合理性及び手続
 の相当性という4要素を考慮するのが相当である。

  本件整理解雇の時点で被告に切迫した人員削減の必要性
 があったとまでは認められず、解雇回避努力、人選の合理
 性を認めることができない。

  本件解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上
 相当であるとは認められない。

  したがって、本件解雇は無効であって、原告は被告に対
 して労働契約上の権利を有する地位にあると認められる。